世間では、いよいよ団塊の世代の定年退職が始まると騒がれています。しかし、彼らの知識、技術、経験等は貴重な社会資源でもあり、実際、60歳で隠居生活に入る人は少数派だと聞きます。しかも、今の60歳はとてもお元気。医者いらずの健康な方がたくさんいらっしゃいます。

 でも、やはり60代ともなると、体の曲がり角である事もお忘れなく。元気だからと言って油断していると、思わぬ病気にかかってしまうリスクも高い年代なのです。高血圧症、高脂血症、糖尿病など生活習慣病をはじめ、心筋梗塞、脳卒中、癌など、大病をしないよう、定期健康診断などを受け医師のアドバイスにも耳を傾けてください。

 定年を迎えると、体力が落ちてみるみるうちに老化が進む方がいます。張合いが抜けてうつ病になる方もいます。月並みな意見かも知れませんが、豊かな老後を送るには、趣味や楽しみ、新たな目標、社会との繋がりなどを常に持ち、規則正しい生活、適度な運動をし、心身共に充実した生きがいのある毎日を送る事が大切です。

 僕ら医者は幸か不幸か定年がありませんので、自分で線を引く訳ですが、僕は出来ることなら65歳位で少しのんびりしたいです。「定年後は、日がな好きなバンドの練習をしたりライブをやったりして、楽しく学生時代みたいに過ごそうね!」って僕のバンド、JAM-TAKOのメンバー達とよく話しています。気が向くままに旅行なんかも良いですねぇ。このような夢と趣味を持ち続け、実現できれば僕の老後も理想的なのですが。

 さて、団塊の世代の人達、彼らはどんな余生を送られるのでしょうか? ニューファミリーなるものを築き、昔の仕事一筋頑固オヤジとは違う価値観を持った個性的な人達。「葬式ではビートルズの曲をかけて笑顔で天国に送ってくれ」などと言う世代。きっと素晴らしい第二の人生を送られることでしょう。

 しかし、どの世代にせよ健康が何より大事、それを町医者と二人三脚で一生懸命守っていきましょう。

 次回は「少子化〜大切な子どもたち」です。

●プロフィール
藤野 遵(ふじの じゅん)
内科医。ロックバンドJAM-TAKOを率いるチャリティ活動家でもある46歳
JAM-TAKOのCDは田無バンダレコードにて好評発売中!

イラスト/中村知史

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