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暑中お見舞い申し上げます。「暑いっすね」「どうにかならないっすかね」と言っても夏の暑さだけはどうにもならない。ちょっと不快なことや腹に据えかねることなどがあると早速に市役所に電話したりして「なんとかしてください」となるんでしょうが夏の暑さだけは行政もどうにもならんでしょう。一昨年だったか、生活保護を受けている老人のアパートの冷房装置をぜいたく品だと撤去して死亡させたどっかの市があったが、そういう折檻死みたいなことはできても、この暑さだけはどうにもできまい。行政にも限界があるというものだ。そもそも行政がなんでもかんでもやろうとすること自体がおこがましいことであり、なんでもかんでも行政に頼ろうとする住民もまた如何ともしがたいというものであろう▼究極の行政改革は合併である、と華々しく謳いあげ西東京市が誕生したが、天井桟敷の住人は、むかしから、究極の行政改革はなにもしないことであると思っている。行政は糞尿とゴミを処理し、水を管理し、生死の手続きを管理するぐらいでいい。電気とガスは民間会社がちゃんとやってくれる。行政を簡素化すれば職員も最小限で済むし、複雑な構成からなりたっている議員さんもほとんど不必要となる。むかし役場の職員さんだって五〜六人しかおらず、職員も住人ものんびりしたものだった。住民税だって小銭入れからほんのひと摘み持っていく程度だったと古い書記には書いてある。人間それぐらいにおう揚でないと楽しく生きられないと思うのだが▼ちょっと極論に走りすぎたきらいだが、逆もまた真なり、なにもしない、なにもさせない、こんな自由闊達な世界があるなら楽園といえよう。市町村も国もあれもこれもやりはじめるとあれもこれもと要求が多発し、そのための規則だ資格だ標準だと法制化されたものがアメーバのごとくに張りめぐらされる。そこには人材と予算が配分されるから財源がいくらあっても足りることはない。国や地方自治体が財政難に陥り、負債総額666兆円にもなってにっちもさっちも行かなくなってしまう。いったん張り巡らされたアメーバ組織は存続させなければならないからそれらが法人組織化され外郭化されていく。いま日本が陥っている現象は官がなんでもかんでもやろうとしたことで起きたフェーン現象であることは国民のほとんどが知っている。そんなものは民間に任せろ、規制緩和せよ、と世論が吹き荒れていることは真っ当なことなのである▼夏の暑さはここのところ一年ごとに激しさを増している。世界中が丸裸にされたような暑さが続く。国は地球温暖化阻止に外交を展開し、地方自治体は都市開発などやめて植樹運動でもやればよい。少子化時代がやってきて原始回帰が起きるかも。みんなが丸裸で大樹の下で昼寝などしたりして▼と暑さはとんだ妄想の世界へと引きずりこむ。
共同企画 後藤喜好
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