03.11月号表紙「光ヶ丘通り商店街」

 西武新宿線花小金井駅の南口を出ると、目の前にロータリーが見える。その先にあるのが多摩湖自転車道。この道を右折して、小金井街道を越えて50mほど進んだところにあるのが「光ヶ丘通り商店街」だ。

 全長約700mの通りには、おにぎり専門店や八百屋、和菓子屋など物品販売の店が建ち並び、常連客を中心としたお客さんたちは、お店の人と世間話をしながら買い物をしていく。今回紹介するのは、そんなのどかな商店街の裏側で動き出した物語である。


■青年部を設立
 商店会会長・小日向(おびなた)辰雄さん(和菓子・玉川屋)は、危機感を持っていた。今より魅力ある商店街を作るにはどうしたらよいのだろうか。そして目を付けたのが、2代目たちの若い柔軟な発想だった。調べてみると加盟店50店舗のうち全部で9人いることが分かった。そこで今年6月に青年部を発足させ、彼らを市の会合などに積極的に連れていった。

 すると青年部は、その期待に応えるようにイベントや飾り付けなどのアイデアを書いた提案書を出してきた。

▲会長の小日向辰雄さん
 「いや驚いたね。何でもいいからアイデアを出してみなって言ったら、たくさん書いてきた。検討しなくてはいけないものもあるが、早速、実現できるものもあるよ」と小日向さんはうれしそうに言う。

 その実現できるものとは、小平市立第五小学校の生徒に絵を描いてもらい各店に展示する、プランターを店先に飾るという2つのアイデアだ。いずれも今月初旬には実施される予定だという。またすでに9、10月には、青年部の発案で経営コンサルタントによる講習会も行われた。

 変わろうとしている商店街。その震源地は青年部である。



■魅力ある商店街作り

▲商店街は多摩湖自転車道と交差した地点から始まる
 
そこで私は、青年部長の石倉康雄さん(ヘアーサロン・ロワ)に話を聞いてみることにした。

 「青年部としては、まずお客さんの目を商店街に向けてもらう。次に実際に店に足を運んでもらうのが目的」と石倉さんは言う。すでに実現したものの他に、味覚祭などの新しいイベントを行うことや高齢者のための宅配サービス。また歳末セールの時には『店主賞』を出し、寿司屋ならお食事券、肉屋ならお肉券というように、当選者がお店に行くようにすれば、そこからリピーターに繋がることもある、など話していると次々とアイデアが飛び出す。

 最後に「スーパーやコンビニの良い点を真似しつつ、地域との繋がりやお客さんとの会話など商店街の特色を生かしていきたい」と締めくくった。

■商店街があり続けるために
 昭和46年頃に誕生したこの商店街。初代の店主たちはそれまで勤めていた店から独立して、この地に自らの未来を賭け、ここまで発展させてきた。その店主たちは高齢となり、今はその意志を継いだ2代目たちが、さらに発展させようと試行錯誤している。

 小日向さんは、商店街の未来像について、「別にアーケードを造ろうとか、すごいことを考えているわけではないんだ。ただいつまでもこの商店街があり続けて欲しい」と言っていた。

 その理想への分岐点は今である。商店街を作ったあの時のように、魅力ある商店街作りのために青年部も初代店主もみんなが一丸となって取り組んだ時、「光ヶ丘通り商店街」は、いつまでもあり続ける商店街となるだろう。

撮影・文/鈴木広介


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