かつては、ひばりが丘団地の住民でごったがえしていた「ふれあいの通りPiPi」。だが、団地建替え工事とともに元気をなくしていった。果たして、これが本当の姿なのか?
公団ひばりが丘団地は、かつて約2700戸、約1万人が居住していたマンモス団地。南に広大な東大農場を望み、敷地内にもふんだんに緑が植えられ、郊外型団地のモデルともいわれていた。今回取材した「ふれあいの通りPiPi」(以下、ピピ通り商店街)は、ひばりが丘団地の北部に位置する。だが、残念ながら外見からはピピ通り商店街に、かつての活気を感じ取ることができない。果たして、この商店街は使命を終えてしまっているのだろうか。
■ひばりが丘団地の老朽化
40年以上が経ち、老朽化著しかったひばりが丘団地の処遇が取り沙汰されだしたのは、およそ10年前。民間への土地売却や建替えによる高層化などのプランが浮上した。だが、緑豊かなひばりが丘団地を守ろうと、団地住民が猛反発。様々な構想が頓挫していた。
しかし、平成11年3月、公団による建替え事業の説明会が開かれた。その第一工区がピピ通り商店街の正面にあたる。
■団地人口の減少で大打撃
▲八百新の田中さん(中央)と従業員のみなさん
建替え工事が決まると、一時的とはいえ団地住民が退去した。工事前に2、714戸だった世帯数は半減した。ピピ通り商店街にとって、このことは大きな打撃となった。商店街発足から頑張ってきた商店が、こらえきれずに何軒も商売をやめ、ピピ通りから去った。
先代から店を引き継いだ八百新三代目の田中剛さんは
「(建替え完了が)来年だってわかっているけど、厳しいよね。ピピ通りは団地あっての商店街。団地に人がいなきゃ、商売にならない」と話す。だからこそ団地の建替えに期待は大きい。
「今までの住民に加え、新しく引っ越してくる人も多いはず。地域密着で、お客さんに喜ばれるように努力しなきゃ。団地建替えが希望の星だよね」。
■恵まれた地の利
ピピ通り商店街は、西武池袋線ひばりヶ丘駅から徒歩10分。急行停車駅で池袋まで約20分と交通の便が良く、近隣は200〜600戸のマンション建設ラッシュ。ここ数年で劇的に人口増加が見込まれる地域である。
▲網野理事長
ピピ通り商店街の網野福治郎理事長(不二ストアー)は「公団の建替えが進めば必ず人が戻ってくる。最終的には約3、600戸になるとか。それまでは商店街が心をひとつにして、ガマンするしかない」と話す。
精肉やパン、生花など生活に必要な店が軒を連ね、現在の商店数は31。代替わりも徐々に進んでいる。「これでやる気をなくしたら商売がつまらなくなる。どうやったら客が集まるか、それを後継者に見せたい」と網野さん。自身も毎日店に出て、元気を行動で示す。
ピピ通り商店街の最大イベントは歳末大売出しの福引。都からの商店街助成金に組合費・広告費を合わせ、豪華景品でお客に還元する。昨年は、自転車20台にディズニーランドのペアチケット20本など大盤振舞い。福引で長蛇の列ができた。今年は11月23日〜12月7日まで開催される予定。
■団地名店街と手を取って
▲建て替えが進む公団ひばりが丘団地
団地建替えと同時に、300mほど南にある団地名店街もピピ通りの向かいに引っ越してくる予定。公団も商業施設用地を確保している。「いろんな店が集まって、共存共栄すればいい。客にとっては、選択肢が多いのはいいこと。人が集まるのが一番」と網野理事長。
団地住民の公募により、雲雀の鳴き声から名前を取ったピピ通り商店街。団地建替えが新たな光を射してくれる日も近い。
文・取材/水澤 敬
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