03.6月号表紙「谷戸商店街」
▲現在の「一番通り商店街」
 ひばりヶ丘駅南口から南へ約1・5キロ米ひばりヶ丘駅と武蔵境駅を結ぶバス通りをはさんで、谷戸町3丁目、2丁目、1丁目の商店や事業所で構成されているのが、谷戸商店街である。その会員数は約120店を数え、特別会員として西友ひばりヶ丘店や金融機関それに住友重機械工業(住重)など大手が名前をつらねている。住重は敷地の東南の角に「発想の森」と命名した森林浴と野鳥の声が楽しめる自然林を住民に開放しており、西友は8月上旬に催される「ひばり祭」(六商店会共催)に専用駐車場を会場として提供するなど、商店街イベントに協力している。住民と商店と事業所が三位一体となって盛り上げているのが、この商店街の特徴といえよう。商店街の歴史は古く、昭和45年に法人化して谷戸商店街協同組合となり、先月10日に34回目の総会を開いたばかりである。

■都市化が進むまちなみ

▲都市化する商店街
▲地元で親しまれる折田理事長
 いま、谷戸町2丁目は大型マンションの建設ラッシュを迎えている。「ヌーベルヴィラージュひばり」、「グランジオ武蔵野」など欧風のマンションが分譲中である。分譲戸数はそれぞれ300戸から550戸と言われており、住重の工場跡地には3期にわたる建設計画があり、現在2期目のマンションが建設中である。これにひばりが丘団地の建て替えも進行中で、完了すれば谷戸町2丁目と隣接するひばりが丘団地あわせて5、518戸分が建設され、住人が約1万6、000人増えると、3月の西東京市議会でも取り上げられた。これだけの人口が増えると、教育とか環境とか行政上の問題を抜きにしても気になるところで、商店街としても見過ごすことはできない数字となろう。

■ふるさとまつり
 これからの季節を迎え各地の商店街はいろいろな催し事を行う。ここ谷戸商店街でも中元福引大売出しをはじめ、納涼盆踊り大会、ひばり祭(前掲)、谷戸ふるさとまつりと目白押しだ。特に、「ふるさとまつり」の伝統は古く昭和29年に遡る。谷戸を住み良いふるさとに、あるいは住んでよかったふるさとにしよう、の思いが込められて谷戸いちょう公園を中心に開かれる。周辺8つの自治会の協力もあって、子ども御輿が町内をねり歩く。谷戸町に新しく住んだ人、また近く大型マンションに住むであろう人たちが谷戸のまちなみにわがふるさとと愛着を持つかどうか、谷戸ふるさとまつりの持つ意義は大きく、また谷戸商協の果たす役割も大きなものとなる。

■IT事業の推進
 私ごとだが、谷戸町に住んで37年になる。谷戸商店街の変遷や実情もある程度知るだけに記事が書きにくい。そこでこれからの谷戸商協の目標とする事業の主なものを理事長である折田和文(オリタサイクル)さんに聞いてみた。
 「事業実施の基本的なもの、商店街の活性化、売出し事業の推進は例年にも倍して努力しますが、本年度は新たにIT事業の推進を重点目標として掲げております。
 これはホームページを立ち上げ、ホームページの中にもう一つの商店街の市場を作るというものです。ホームページを通して商品を購入していただくものです」
 各家庭にIT機器が備えられれば必ず実現する商取引となるであろう。
 「それと地域密着型のサービスです。お年寄りのご家庭が多くなりました。そこで酒屋さんのように、ご用聞きに行って配達をするとか、他の用事で行っても、ミネラルウォーターが欲しいと言われれば、他の物と一緒に届けるとか。あれは重いですからねえ」
 まさに地域に密着したサービス。自転車の修理販売を通して地元の皆さんと直接親しんでいる折田理事長だけに採算にとらわれないサービスが実現するかもしれない。そこには最寄品(日常品)を売る商店街の本来の姿が垣間見られる思いがする。
文・取材/後藤喜好

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