▲中心部から田無町2丁目を望む
青梅の山奥から石灰を江戸城まで運ぶ道として開通された青梅街道。その街道を旅人や商品が往来することによって宿場町として栄えた田無。田無を語るとき、必ずといってよく巻頭を飾るのがこの宿場町の文字。その街道をはさんで古くは徳川時代から三百年の歴史を誇る老舗、また今風なブティック店やカラオケ店まで86店舗で構成されているのがアヴィ2・3商店街である。正式には田無商業協同組合という由緒ある名称がついていて、商協とも呼ばれている。
■ようこそ2・3丁目に
合併して西東京市になる前のこのメイン通りは田無市本町2丁目と3丁目からなり、現在は田無町2丁目・3丁目と町名が変更された。七年ほど前、当時の商協の理事長だった野島正弘(松坂屋)さんが商協に愛称をつけて商店街に親しんでもらおうと広く募集をしたところ、東久留米市の女子学生の作品、アヴィ(ようこそ)2・3が選ばれ、商店街の新名称が誕生した。商店街のマップが作成され、アヴィ2・3と刻印された街路燈も設置された。地元のミニコミ紙にも取り上げられたが、いまひとつ滲透せず普及しなかったのも事実。むかしから慣れ親しんだ商協の呼び名がいまでもしぶとく一般的なのが、この商店街の特徴でもある。
■伝統を生かす新しいまち
古くから門前町として栄え、当主も三代目、四代目と数えるこの商店街。昭和の後半まで町内に市役所も存在していて通りは賑わっていたことは、まだ記憶に新しい。都の有形文化財に指定されている田無神社、新東京百景にも選ばれている真言宗智山派・総持寺。この二つの伝統ある文化財をいただきながら、この通りの人影が薄れて来たのは何故であろうか。市内に住む人も商協の人たちも真剣に取り組む課題であることは間違いない。
■一つの事業を完成させる
現在、商協の理事長をつとめる中嶋敏明(エステ中嶋)さん「伝統があるだけに現実と歴史の葛藤がある」「古い伝統を持つ人と新しい商業構成を目指す人とが理解し、老・中・壮が融和した商店街づくり」が大切であろうと語る。先輩たちの理解と協力を得て、若い世代の意欲があふれた商店街づくり、五年先を考えるいきいき商店街をつくりたいと語る。そして一つの事業として総持寺境内で催している「びっくり市」を拡大したもの、活性化した実りある市を作りたいとの抱負も。10月のびっくり市から実施するとのことだ。
■仮装行列とパフォーマンス
▲毎年にぎわう盆通り大会
田無商協が主催し、毎日新聞社などが後援する田無の名物盆踊り大会が7月28日から5日間、町内の総持寺境内で開かれる。これも古い伝統を誇るお祭りで、昨年は約60年ぶりに太鼓と三味線だけの「盆おどりの歌」が復活した。また、盆踊り大会の最終日には2年前から仮装行列大会が40年ぶりに復活、総持寺と周辺の道路を会場に繰り広げられ、多くの家族連れや若者たちで賑わい、真夏の夜を楽しんだ。真夏の夜と若者たちといえば、はち切れんばかりの生命力と躍動感があふれるパフォーマンスがそこにある。弾けるような色彩と神秘的な仮装の怪しさ、それは一つの劇場であって、まちを動かす命の表現でもある。ひっそりと佇んでしまうまちを攪拌してしまう血潮の叫びでもある。いま商店街の活性化に必要なのはこんな命と魂のうねりなのかもしれない。
「先輩たちの協力と青年部の若い情熱とが融和した、風通しのいい、いきいきした商店街にしたい」
中嶋理事長の熱い思いは、市内や近在に住む人たちの願いでもあろう。西東京市は今年度から商店街懇談会を開き、商店街の活性化に力を入れることになっている。
文・取材/後藤喜好
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